Japanische Klassiker mit Furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme
通いつめた白ギス釣り〈八月〉
釣り竿のちょこちょこ見えし葦の中
戦後、目黒三谷から毎日、寄席へ通っていたころのことである。地下鉄に乗ると、ぼくの隣に新聞を四つ折りにして、ぼくの顔の前へ出して読んでいる男がいる。押されるので隣の吊り革へ移ると、その男もぼくのからだにピッタリとついて離れない。ひょいと気がついてみると、その男の手がぼくの外套のポケットにはいっている。さっきからどうも変なやつだと思っていたが……と、そいつの顔をジーッと見て、「マッチと定期券だけだよ」といってやった。その男、実に変な顔をして次の駅でおりて行ってしまった。地下鉄での手長釣りというわけである。
釣って持って帰って、エビぐらい台所から喜ばれるものはない。料理に手間はかからないし毎日でも飽きない。近所へあげても珍重がられる。長い手をむしって目ざるでよく洗い、水をきって醤油のつけ焼きにする。鬼殻焼きもいいし、そのまま薄醤油で煮てもよい。少し手をかければ、皮をむいて天ぷらのかきあげ――、これは下戸にもよし、上戸にはなお喜ばれるというものだ。
通いつめた白ギス釣り〈八月〉
白ギス釣りも、戦前と戦後ではずいぶん変わった。