Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
いて突当った人を見ると、蛇の道は蛇で、追廻す蝶吉がまた追廻す探索は届いて、顔まで見知越の恋の仇。恋に上下の差別がないから仇に上下の差別はない、学士神月梓である。むかッ腹立の八ツ当りで、
「ふん、色男も凄じいや、汝が孕ませた児を堕されりゃ沢山じゃあないか、お政府へ知れて見ろ、二人とも、泥を噛るんだい。知ってていわないのはお慈悲だと思うが可い。こっちから突当ったらな、そっちからあやまって、通るこッた。人をつけ、学者もそれで沢山だい、色男万歳だな。」
と影の添うがごとく七八歩、学士に添って逆戻をして歩いたが、
「ざまあ見ろ色男、面が見てえや、青いのか、赤いのか、やい、七面鳥の文学士。」と悪たれ口を吐き棄てて擦違って駈出した。学士は歩み悩んだ様子で、ふと足を留めたがさすがに後を見も返らず、取るにも足りない下司の雑言と思ったから。
「雨か。」
空を見ると雲低く、ひやりとして頬に雫、またばらばらと二ツ三ツ。
「ああ、」と呟いて、あたかもこの雫に懸るまいとするごとく、かなたこなた身を交して歩いた。
最初はただ、廂溝などを幽に打つ音のみであったが、やがて、瓦屋根に当ってまたばらばら。