Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
段階子
十四
。
洗髪の潰島田、ばっさりしてややほつれたのに横櫛で、金脚五分珠の簪をわずかに見ゆるまで挿込んだ、目の涼しい、眉の間に雲のない、年紀はまだ若いのに、白粉気なしの口紅ばかり、小肥して痩せてはおらぬが、幼い時から、踊が自慢の姿である。
出迎えた女中は前へ転ったと思って慌しく身を開いて、
「あれ危いじゃありませんか、」
蝶吉は躓くように駒下駄を脱いで、俯向けに蹌踉け込んで、障子に打撞かろうとして、肩を交し、退って、電燈を仰いで、踏しめて立った。ほッという酒の息、威勢よく笑って、
「今晩は。」
段階子
十四
「蝶さん、奢らせますよ。」と帳場から呼んだのは女房である。この待合はその座敷、その器物、その取扱、何につけても結構なものではない。五人一座の二人までは敷かせる座蒲団の模様が違って、違った小紋も、唐草も、いずれ勧工場ものにあらざるなく、杯洗と海苔とお銚子が乗って出るのも、牛屋のちゃぶ台の真中へ丸く木を填めてあろうという組織であるのに、お座料がまた必ずしもお安くない。これでは何の取得もないが、ここに注意すべきは女房たるもの、兄とその情人のごときもの、且つ女中に至るまで、よく注意して秘密を守り遂げる信用があるので、知れては身分に係わるといった側が、ちょいちょい懐手で出入する。