Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
朝参詣
二十四
な思がした。それこれの聯想から、誰とも知らず、その頃の蝶吉を、母の俤に肖たように思ってた折から、煎餅屋の店で行違った時も、母があたかもその年紀で、その頃、同じことを、ここでして、こうして育ったのであろうと、あたかも前世紀の活きた映画に接するがごとく感じたのである。
朝参詣
二十四
梓が大学の業を卒えて、仏文の手紙の姫、年紀は二ツ上の竜子に迎えられて、子爵の家を嗣ぐ頃には、地主の交替か、家主の都合か、かの隠家の木戸は釘附の〆切となって、古家の俤も偲れなくなった。構外を廻って見ると、今までとは方面の違った町の側、酒屋の蔵の廂合に一条仄暗い露地が開かれた。大方そこから旧の借家へ通ずることが出来るのであろうと思うばかり、いうまでもなく、先に世話になった友人夫婦は、疾くに引越して行方知れず、用もない処、殊に、向合って御膳を食べる、窓から手を出して、醤油を借りようという狭い露地内へ、紋着の羽織でうそうそ入られたものではない。入って見られず、伺うて分らなくなると、ますます可懐しさは増ったけれども、これまでと違って玉司子爵梓氏となってからは、邸を出入の送迎も仰々しく、往来の人の目にも着く、湯島のそぞろ歩行は次第に日を措き、週を隔つるようになったが、遠いが花の香で、床しさはまた一入。