Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
紀の国屋
十二
「厭だな。」
見る見る繁しくなって、颯と鳴り、また途絶え、颯と鳴り、また途絶え途絶えしている内に、一斉に木の葉に灌ぐと見えて静な空は一面に雨の音。
神月は見えなくなった。
紀の国屋
十二
御待合歌枕。磨硝子の瓦斯燈で朧の半身、背に御神燈の明を受けて、道行合羽の色くッきりと鮮明に、格子戸の外へずッと出ると突然柳の樹の下で、新しい紺蛇の目の傘を、肩を窄めて両手で開く。顔はその中に隠れて見えず、丈の好いすらりとした痩ぎすな立姿。桃色縮緬の扱帯で、弱腰を固くしめている。白足袋で、黒の爪皮を深く掛けた小さく高い足駄穿で、花崗石の上を小刻の音、からからと二足三足。頭が軒の下を放れたと思うと、腰を伸して、打仰いで空を見た。
ここに引着けた腕車が一台。蹴込に腰を掛けて待っていた車夫、我が主来れりと見て、立直り、急いで美しい母衣を刎ねる。楫棒に掛けて地に置いた巳之屋と書いた看板は、新しい光を立てて、蝋紙を透す骨も一ツ一ツ綺麗である。
「おや、降っちゃあいないんだね。」静に蛇の目を窄めて片手に提げた。鼻筋の通った細面の凜とした、品の良い横顔がちらりと見えたが、浮上るように身も軽く、引緊った裙捌で楫棒を越そうとする。