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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

二十

」

清三はこのごろの日記の去年の冬、今年の春にくらべて、いかにその調子が変わったかを考えざるを得なかった。去年の冬はまだ世の中はこうしたものだとは知らなかった。美しいはでやかな希望も前途に輝いていた。歌留多を取っても、ボールを投げてもおもしろかった。親しい友だちの胸に利己のさびしい影を認めるほど眼も心もさめておらなかった。卒業の喜び、初めて世に出ずる希望――その花やかな影はたちまち消えて、秋は来た、さびしい秋は来た。裏の林に熟み割れた栗のいがが見えて、晴れた夜は野分がそこからさびしく立った。長い廊下の縁は足の裏に冷やかに、本堂のそばの高い梧桐からは雨滴れが泣くように落ちた。

二十

男生徒女生徒打ち混ぜて三十名ばかり、田の間の細い路をぞろぞろと通る。学校を出る時は、「亀よ亀さんよ」をいっせいにうたってきたが、それにもあきて、今ではてんでに勝手な真似をして歩いた。何かべちゃべちゃしゃべっている女生徒もあれば、後ろをふり返って赤目をしてみせている男生徒もある。赤いマンマという花をつまんで列におくれるものもあれば、蜻蛉を追いかけて畑の中にはいって行くものもある。