Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「何が妙なんだ」

「こうしているとね、この喉頸のところの手ざわりが、全然人間の此処と同じなんだよ」

高夏は自分の喉を撫でてみては、又犬の喉を撫でた。

「美佐子さん、ちょいと触って御覧なさいよ、うそじゃないから」

「僕触って見よう」

と、母親より先に弘がしゃがんだ。

「やあ、ほんとうだあ、―――ちょいとお母さんの喉に触らして、―――」

「何だよ、弘、犬とお母さんと一緒にする人がありますか」

「ありますかッて、君のお母さんの肌なんぞとてもこんなにすべすべしちゃいないぜ。この犬に似てたら大したもんだぜ」

「じゃあ高夏さん、私の喉に触ってみて頂戴」

「まあ、まあ、一ぺんこの犬をためして御覧なさい。―――どうです? ほら? 不思議でしょう?」

「ふーん、不思議ね、全く。うそじゃないことね。―――あなた触って御覧にならない?」

「どれ、どれ」

と云って要も降りて来た。

「成る程、こりゃあ妙だな、人間にそっくりで変な気がするな」

「ね、新発見だろう?」

「毛が短くって繻子のようだもんだから、殆ど毛の感じがしないんだね」

「それに頸の太さがちょうど人間ぐらいなのね。あたしの頸と孰方かしら?」

美佐子は両方の手で輪を作って、犬の頸と自分の頸とを測りくらべた。