Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
「うん、どんな寒い日でも一遍ぐるッと廻って来ないと気持が悪いね」
「犬を此方へ連れて来させたらいいじゃないか」
要はヴェランダの日だまりを動くのが厭だという形で、梅の樹の方へ立って行く二人に云った。
「弘や、お父さんがリンディーを連れていらっしゃいッて」
「リンディー!」
繁みの向うの梅の枝がざわざわと揺いで、ピオニーの方が突然ひいひいしゃがれ声を立てた。
「これ! ピオニー、これ!―――小父さん、小父さん、ピオニーが邪魔をして仕様がないから、連れに来て下さいよ」
「いやだよ、ピオニー! ま、そう跳び着いちゃ………いやだったら!」
頬を舐められそうになった美佐子は、庭下駄のまま慌ててヴェランダへ駈け上りながら云った。
「お前はしつッこいからいやさ、ほんとに。―――ピオニーなんか連れて来ないでもよかったのに」
「だってお母さん、騒いで仕様がないんですよ」
「犬と云う奴はひどく焼き餅焼きだからね。―――」
階段の下に立っているリンディーの傍にしゃがんで、高夏は平手でしきりに犬の喉頸を撫でていた。
「何をしてるんだ。だにでもいるのか?」
「いや、此処をこうしてさすって見給え、実に妙だよ」