Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
―――どう? これは?」
「それか?」
「それか?―――ッて、何よ?」
「そいつは麻布の一番下の妹にやる積りだったんだ」
「まあ、驚いた、そりゃ鈴子さんがお可哀そうだわ」
「驚いたとは僕の方で云うこッてすよ。こんな派手な帯をしようなんて、色気違いだな」
「ふ、ふ、どうせあたしは色気違いよ」
はっと高夏が思った時はもう遅かったが、美佐子はその場を救うためにわざとずうずうしく笑った。
「や、失言、失言。今のは本員の過ちでありました。唯今の言葉は取り消しますから、速記録へは載せないように願います」
「駄目よ、今更取り消したって。もう速記録へ載ってしまってよ」
「本員は決して悪意で申したのではない。しかし故なく淑女の名誉を傷けたるのみならず、妄りに議場を騒がしたる罪は謹んで陳謝いたします」
「ふ、ふ、あんまり淑女でもないんだけれど、………」
「では取り消さないでもいいですか」
「いいわ、どうせ。―――いずれ傷のつく名誉なんだから」
「そう云ったもんでもないでしょう。傷をつけないようにと云うんで、いろいろ苦心してるんでしょう」
「それは要はそうなんですけれど、そんなことを云ったって無理だと思うわ。