Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
たまり兼ねて、十手の柄で戸をたたく八五郎。
「うるせえな、この間も――御用だ、開けろ――っていうから、驚いて戸を開けると、身に覚えがあるなら明日奉行所へ自首して出ろ、わッ――って町の餓鬼どもが五、六人束になって逃げ出すじゃないか。今度そんなことをしやがると二、三人生捕って餓鬼じるにして食うから覚悟しやがれ」
そんなことをいいながら、ガラリと裏木戸を開けて、二人の前にげん固を見せたのは三十七、八の――金剛盧遮那仏にまげを結わせて、はんてんを着せたような大男です。
「ばかッ、それはなんだ」
「ヘエ」
あわててげん固を引っ込めた恰好は、柄にも似ぬ甘口な男らしくもあります。
「お前は?」
「木戸番の半次と申します。なんにも知らなかったんで、ヘエ、ご勘弁なすっておくんなさいまし」
「この小屋にはだれとだれがいるんだ」
それは平次でした。八五郎を後ろへやって、手燭の灯りの前に立ちます。
「ヘエ、私一人で」
「あの女は?」
「ヘエ?」
血の環りが悪いのか全く知らないのか、兎も角もこの男は、小屋にいるいきものは自分一人と信じきっている様子です。
「小屋の中を見るよ」
「ヘエ」
不満らしい半次をかき退けるように平次はズイと入りました。