Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「あっしも変だと思いましたよ。念のため宇八に逢って訊くと、喜之助親分の家で、少し飲み過ぎて、頭痛がしてかなわないから、暫らく芝浦へ出て、仙台様御中屋敷の裏あたりで、御浜御殿を眺めて、海の風に吹かれていた――とこう言うんで」
「それから」
「相模屋では店先で用事を済まして、――もっともこれは大口だから、利息を三両受取って、真っ直ぐに金沢町へ帰ったということです」
「すると、宇田川町から金沢町まで、一刻で帰ったことになるな」
「そんな事になるでしょうね」
八五郎の報告はそれで終りました。芝口二丁目の喜之助の家から、金沢町まで取って返して、近江屋の主人半兵衛を殺し、もう一度宇田川町へ引返したとすれば、番頭宇八には下手人になる可能性はあったわけで、芝の海を眺めて、だれも居ないところで酔いをさまして居たなどということは、この際不在証明としては成立しません。
「ところで、もう一つ、近江屋の小僧の家はどうだ」
「小僧の定吉――あれは利口者ですね。親一人子一人で、その親は中風で身動きも出来ず、妹の世話になって居ますが――」
八五郎は語り進むのでした。
「――小僧の定吉の家へも行ってみましたらね、本所の石原ですよ。