Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
を表象した構図だし、小倉伝来の筆を持っている坐像は「文」の武蔵を現わしたものだという人もある。とにかく、写しでもいいから見ておきたいと思ったので、軒先に佇んでややしばらく待っていると、茶店の奥へはいって行ったN氏がやがて出て来ていうには、
――いや、とんだ話になりましたよ。死せる武蔵、生ける盗賊を走らす、という標題のつけられそうな三面ダネを一つおじさんから聞いてしまったんで。
と、ひとりで哄笑しながら出て来たが、やがて説明していうには、その宮本武蔵の画像の幅は、生憎と今はない。実はおとといの晩、泥棒が入って来て、ほかの衣服や何か二、三点の物品と一緒に盗難にかかってしまったのだというのであった。
ところが昨日、警察署へ届け出ると間もなく、他の品物は出ないが、武蔵の幅だけは、電車道の四ツ角に、抛り捨ててあって、往来の者が警察へ届けて来ているから、早速受取りに来いという通知が来た。けれどおやじさんは風邪気で寝ているし、ばあさんは着物がないとかあるとか、行きつけない警察を億劫がってまだ取りに行かずにいるので――もしお客様がそう御覧になりたいというならば、警察へ行って御覧ください――と茶屋のおやじがいうのですが、どうしますかと、N氏はまたそこで笑って、