Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
はしがき
英治生
随筆 宮本武蔵
はしがき
屋上、屋を架す。という語がある。
この書は、たしかに、屋上屋みたいな書物である。すでに、小説宮本武蔵があるのに、なお、随筆宮本武蔵など、よけいなものみたいに見られても、しかたがない。
私もまた、正直、なくてもいいものだ、と思っている。
だから当初、朝日新聞社からこれを出版したのは、特に武蔵研究などに関心をもつ一部少数の人たちのために、ごく少部数しか印刷していない。その後、再版もしていない。
ところが、読書子はないものねだりをする癖がある。また書籍は完全な消費物でもあるらしい。近来、随筆武蔵の方は、ほとんど市に見なくなってしまった。終戦後、熊本の宮本武蔵顕彰会の人も、これを探していたが、地方の古書店にも、書肆の図書目録にも、出ないというので、東京まで求めに来られたが、私の手もとにも、今は、備考の一冊しか残っていない。それもその後、いろいろな書入れをしてあるので、人には譲れず、むなしく、お断りした例も再三ならずある。
再版する程な著述ではないと思いもするが、たまたま、そんな希望者もあり、小説の重版後、さらに求められる声が多いので、こんども少部数を、趣味版的に、出すことにした。