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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

少年時代と家庭

けれど仮令該博なる直木三十五の手に触れた書から、以上の参考書をのこらずひっくるめて見ても、そのうちからこれこそほんとの史実だと信用できる武蔵の記録というものは、これはまたいくらもないのだ。一小冊子の半分だけでもあれば大したものだが、そんなにはとてもない。ではどのくらいというと、およそ要約して、この活字の一段組みで六、七十行ぐらいに尽きている、その程度が宮本武蔵の史実だといってよい。

少年時代と家庭

工匠でも画家でも剣人のでも、どうも名人逸話には類型と伝説が多い。武蔵にも十三歳で有馬喜兵衛という剣豪を殪したという話から始まって、晩年六十歳頃までの逸事は相当に残っていることはいる。そのうち、細川家へ落着いてからの逸話は、やや根拠があるが、それとて藩士の口から口へ伝わってずっと後年に記述されたものであるから、そういう事がらと履歴は認めても、果たしてどの程度まで武蔵の心事と行動が掬み取れるかは難しいと思う。

十三歳で有馬喜兵衛を殪したという話も、武芸小伝によると、喜兵衛は、当時の剣道の大家松本備前守の刀系をひいている有馬豊前守の一族の者で、その豊前守は徳川家康の命で紀州家へ移ったという人物である、そういう一族の者で、しかも天真正伝の神道流をうけていたという有馬喜兵衛が、いくら何でも、子どもと喧嘩はすまい。