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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

どうしてこんな名幅が風呂敷にくるまれて転々しているのか。私はむしろ不審を抱いてしまった。たしかずっと以前にも、この幅は博物館に出陳されたことがあったと記憶している。また、この幅について伝わっている渡辺崋山の逸話は有名なはなしである。一番最初は、崋山が町の一店舗から発見したものである。で、箱書をも書いているので、崋山伝のほうにも、よく出るはなしだし、また、何かの美術書でも、この画の写真版は見たこともある。とにかく、こんな見窶らしい流転をする幅では決してない。

崋山が発見したという逸話を掻抓んでいうならば、或る時、崋山が四谷辺を通って、ふと一古物商の奥を見ると、一幅の図が展じてある。凝視しばらく、崋山は歩むのを忘れる程、その画に打たれて呻いていた。

はいって、値を訊いたところ、案外高い値をいう。というても、四両か五両の程度であったろうが、崋山の貧嚢では手が届かない。けれど帰宅後も、その画が眼底から消えもやらぬここちがしていた。折ふし弟子のうちの幕府の臣の某が見えたので、事を告げて、求めさせ、箱書までして、与えたものである。

そういうはっきりした来歴のある名幅なのである。