Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
四
机の上の打算や論理だけで、人生の諸法則の価値が解るものなら、人間は何も泣いたり血を流したりする必要はなかったはずである。体験は多くの場合苦い杯である。その苦い杯をなめつつ進むのが人間の常道であり、血のかよった真理を掴む道なのである。理論はいつも実践によってその最後の磨きをかけられるものだ、という事を、われわれは決して忘れてはならない。
四
「苦労人」という言葉があるが、これは、実践によって、世の中の酸いも甘いもよく噛みわけた人のことをいうのである。
かような人は、理路整然とものをいうことが出来ないにしても、その断片語がよく肯綮にあたり、事に処して、まことにあざやかな手際を見せるものである。誰にも満足の行くようなもののさばき方は、普通には出来ないこととされているが、それすら、苦労人の手にかけると、案外すらすらとさばかれて行くものである。丁度射撃の名人が、身も、心も、鉄砲も、的も、ただ一つに溶かしこむように、いわゆる苦労人は、周囲の人々を一つの気分に浸りこませて、まかり間違えば、損得の問題や、理くつの言いあいで、掴みあいにもなりかねないところを、極めてなごやかに取りさばいて行くものである。