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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんのしさくのために

青年の思索のために

下村 湖人

Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

三

という小さな棒を、がむしゃらに這いのぼって行く人たちのことである。

「自己に目覚めよ」とか、「独自の道を進め」とかいう言葉は、人間を、価値の創造者たらしめるために唱えられた言葉だと思うが、不幸にして、これらの言葉の意義を、正しく理解している人々は、きわめて少いようである。おおくの人々にとっては、自己に目覚めることは、他人のことを忘れることであり、独自の道を進むことは、他から学び、他と共に歩むことを拒むことなのである。

こうして彼らは、百足虫のように、小さな自我の棒をのぼりはじめる。無論その棒は、隣人とか、社会とかいう大地から、ほとんど養分を吸上げることがないので、伸びもしなければ、ふとりもしない。いわんや、枝を出したり、花を咲かせたり、食物になるような果実を結んだりする気づかいは、永劫にない。だから、とどのつまりは、ひからびた棒の尖端で、首をふりふり、空を探りながら、自分たちもまたひからびはてて、死ぬよりほかに行き道がないのである。

三

大むかし、原人アダムとイヴとは、蛇の誘惑にあって、禁断の知慧の木の実を喰ったために、自分を見る眼がひらけて、今まですこしも恥じなかった裸体を、ひどく恥じるようになったそうである。