Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
これまで、三人がかりでなくては出来なかった仕事が、機械を使うと、二人で十分である。少し慣れたら、一人ででも、楽に間にあいそうだ。おまけに、これまで三十尋以上の海で一日蛸壺を手繰っていると、手はささらのようになり、身体は綿のように疲れて、どうしても翌日は、仕事を休まなければならなかったものだ。それが、どんな深海になっても、少しも人間の労力を増すことがなく、却って動力を活かして使えることになる。それに、何よりも嬉しいのは、時間が三分の一以下ですむことだ。そうすると、結局――
人手は三分の二、乃至三分の一に減じ、仕事の能率は三倍以上になり、疲労は比較にならないほど少くなって、どんな深海でも、毎日仕事が出来る。
何という愉快な機械だろう。
第一回の試運転を終えた二人の青年は、船の中で手を握りあって喜んだ。
それ以来、河野君は、こんないい機械を使わない人は馬鹿だ、といって、村じゅうを説きまわっている。しかし、まだ多くの漁民は、漁民特有の保守的な考えから、なかなか機械などを据付けようとはしない。
尤も、中には、もう少し安価に据付けが出来れば、という嘆声をもらしている人もあるらしい。