Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
「まだやっと半分じゃないか、今からこんなことで、どうなるんだ。」
そう自分で自分をはげまして見ても、どうにもなりません。それに、何よりも私の気をいら立たせたのは、これまでに私が追いぬいて来た人たちが、二人、三人と今度はあべこべに私を追いぬいて行くことでした。自分では同じ速度で走っているつもりでも、これではよほどにぶっているのだな、と思うと、あと四千メートルあまりの走路が不安になり、やっぱりだめかなという気がしてきました。そして橋のたもとに近づいて少し上り坂になったりすると、ついそこでへたばってしまいたくなったことも何度かあったのです。
それでも、どうなりがんばりつづけて、あと二千メートルぐらいの地点に来ました。しかし、もうそのころになると、腰から下の感覚が、まるでかたまりかけた蝋のようににぶり、頭までがもうろうとなって来ました。そしてそのもうろうとなった頭の中で、私は私自身にこんなふうにこびていました。
「マラソンぐらいで意地をはって、それに何の意味があるんだ。からだでもこわしたら、ばかを見るだけじゃないか。」
しかし、すぐよしてしまうのは、やはり惜しいような気がして、意志の力でというよりは、むしろ惰勢で走りつづけていました。