Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
進む心と退く心
張詠の言葉
北野少年は、現在ではもう堂々たる紳士になって居り、九州のある地方で一会社を経営しています。私とは同郷の関係で、家庭の事情などもよく知りあった仲なので、おりおり心の底をうちあけた手紙をくれることがありますが、最近の手紙にこんなことが書いてありました。
「ご存じの通り、天はかつて私の腕の骨をくじくことによって、私の良心と、母の愛情とを同時に取りもどしてくれました。考えて見ると、私の一生の運命はあの時にひらかれたようなものです。
私はすでに五十歳、母は六十九歳ですが、共に極めて幸福です。今でもおりおりあの当時のことを二人で語りあって、しんみりすることがありますが、はたで聞いている家内はもとより、子供たちまでが、この話にだけは無条件に頭をさげるようです。
骨をくじくまで人生の大事に気がつかないでいた私の少年時代の愚かさについては、幸いにして誰一人責める者がありません。呵々。」
進む心と退く心
張詠の言葉
「進むがよいか、退くがよいか。」
処世の態度について、もしこうたずねられたら、誰しも言下に「進むがよい」と答えるでありましょう。原則的には、たしかに進むがよいにきまっています。