Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
年越の詩
柄にもない日
ところが地球の上には
死んでも食いたくないものがあって
それがぼくの顔みたいな
原子爆弾だの水素爆弾なのだ
こんな現代をよそに
羊は年が明けても相変らずで
角はあってもそれは渦巻にして
紙など食って
やさしい眼をして
地球の上を生きているのだ
年越の詩
詩人というその相場が
すぐに貧乏と出てくるのだ
ざんねんながらぼくもぴいぴいなので
その点詩人の資格があるわけで
至るところに借りをつくり
質屋ののれんもくぐったりするのだ
書く詩も借金の詩であったり
詩人としてはまるで
貧乏ものとか借金ものとか
質屋ものとかの専門みたいな
詩人なのだ
ぼくはこんなぼくのことをおもいうかべて
火のない火鉢に手をかざしていたのだが
ことしはこれが
入れじまいだとつぶやきながら
風呂敷包に手をかけると
恥かきじまいだと女房が手伝った。
柄にもない日
ぼくはその日
借りを返したのだが
ぼくにしては似てもつかない
まちがったことをしたみたいな
柄にもない日があるものだ
だから鬼までがきまりわるそうにし
ぼくの返したその金をうけとりながら
おかげでたすかったと
礼をのべるのだ
鮪に鰯
鮪の刺身を食いたくなったと
人間みたいなことを女房が言った