Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
貘
ちょっと待ったと
顔をしかめないではいられないのだが
セシウムだってなんだって
食わずにいられるもんですかと
女房が腹を立ててみせるのだ
かくて食欲は待ったなしなのか
女房に叱られては
眼をつむり
カタカナまじりの現代を食っているのだ
ところがある日ふかしたての
さつまの湯気に顔を埋めて食べていると
ちょっとあなたと女房が言うのだ
ぼくはまるで待ったをくらったみたいに
そこに現代を意識したのだが
無理してそんなに
食べなさんなと言うのだ
貘
悪夢はバクに食わせろと
むかしも云われているが
夢を食って生きている動物として
バクの名は世界に有名なのだ
ぼくは動物博覧会で
はじめてバクを見たのだが
ノの字みたいなちっちゃなしっぽがあって
鼻はまるで象の鼻を短かくしたみたいだ
ほんのちょっぴりタテガミがあるので
馬にも少しは似ているけれど
豚と河馬とのあいのこみたいな図体だ
まるっこい眼をして口をもぐもぐするので
さては夢でも食っていたのだろうかと
餌箱をのぞけばなんとそれが
夢ではなくてほんものの
果物やにんじんなんか食っているのだ
ところがその夜ぼくは夢を見た
飢えた大きなバクがのっそりあらわれて