Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まぐろにいわし

鮪に鰯

山之口 貘

Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

天から降りて来た言葉

生きる先々

むろんそれは一目みて

産めよ殖やせよの見事な国策とわかつたが

女房の姿とわかったのは

しばらく経ってからのことみたいで

おなかに遅れてかなしそうに

息を喘いで現われて来た

その眼

その鼻

見てわかった

天から降りて来た言葉

しゃべる僕のこのしゃべり方が

ぼくの詩にそっくりだという

そこで僕が

またしゃべる

なにしろ僕も詩人なので

しゃべるばかりがぼくの詩に似ているのではないのである

ごはんの食べ方

わらい方

ものをかんがえる考え方

こいの仕方

うんこの仕方まで

どれもまるでぼくの詩なのである

そこでぼくの

詩がおもう

いつまた天にのぼるのかこんな地べたに降りて来た

文語体らにしてみても

かれらが詩になるまでにはどうしても

ひとりぐらいの詩人は要る筈だ

いよいよはげしく立ち騒いでくる文明どもの音に入り混って

なりにけりとか

たりとかと

日常語にまでその文語体らを

生活できる詩人をひとりだ

生きる先々

僕には是非とも詩が要るのだ

かなしくなっても詩が要るし

さびしいときなど詩がないと

よけいにさびしくなるばかりだ

僕はいつでも詩が要るのだ

ひもじいときにも詩を書いたし

結婚したかったあのときにも

結婚したいという詩があった