Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
鹿と借金
ぼくのところを訪ねて来たのだ
ぼくのところでは生憎と
なんにもない日ばかりがつづいていたので
来客のたんびに夫婦してまごついたのだ
それでもお茶のかわりにと
白湯を出してすすめ
お茶菓子のかわりに
蕪の新香を出してすすめたのだ
かれはしかし手もつけなかった
いかにも見ぬふりをしているみたいに
そこにかしこまってかたくなっているのだ
足をくずしてお楽にとすすめると
これが楽ですとひざまづいているのだ
蕪の新香はきらいなのかときくと
こっくりに素直さが漂った
ぼくは今日の街なかで
かれに逢ったことを手みやげにして
芹田君に逢ったと女房に伝えたのだが
女房にはすぐには通じなかった
蕪の新香のきらいなと言うと
あああの芹田さんかとうなずいたのだ
鹿と借金
山の手のでぱあとの一角に
珈琲の店を経営しているとかで
うまい珈琲を
ごちそうしたいと彼は言った
岬の方には釣舟をもっているとかで
釣へも案内したいと彼は言った
なかでも自慢なのは鉄砲とかで
いずれそのうちに
鹿を射止め
鹿の料理をごちそうしたいとかれは言った
ぼくはかれに逢うたんびに
いまにもそこに出て来そうな
鹿だの釣だの珈琲だのをたのしみにして