Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
かれの奥さん
表札
マダムはそっぽを向いて言った
お金のことなんて
詩人らしくもないことです
俗人の口にするみたいなことを
詩人がおっしゃるもんじゃないですよ
お金に用のないのが詩人なんで
詩人は貧乏であってこそ
光を放ち尊敬もされるんです
詩人はそこでかっとなり
借りに来たことも忘れてしまって
また一段と光を添えていた
かれの奥さん
煙草を吸えば吸うたんびに
吸いすぎるんだのなんだのと来て
いまにも肺癌とかに
なるみたいなことを云い
酒を飲めば飲むたんびにだ
飲みすぎるんだのなんだのと来て
すぐにも胃潰瘍だか胃癌だかで
死ぬより外にはないみたいなことを云い
帰りが夜なかになったりすると
おそすぎるんだのなんだのとはじまって
隠し女があるんだのとわめき立て
安眠の妨害をするとのことなのだ
それでかれは昨夜もまた
なぐりつけたと云うのだが
亭主のふるまいはとにかくとしてだ
よく似た奥さんもあるもので
うちのだけではないようだ
表札
ぼくの一家が月田さんのお宅に
御厄介になってまもなくのことなんだ
郵便やさんから叱られてはじめて
自分の表札というものを
門の柱にかかげたのだ
表札は手製のもので