Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
ある家庭
元旦の風景
十二月のある夜
歓送会と来ると
首をすくめてそれを見送り
祝賀会と来ると
首をすくめてそれを見送り
歓迎会と来ると
首をすくめてそれを見送り
会あるたんびに
首をすくめては
いろんな会を見送って来た
ある日またかとおもって
首をすくめていると
いいえお顔だけで結構なんです
会費の御心配など
いらないんですと言う
ある家庭
またしても女房が言ったのだ
ラジオもなければテレビもない
電気ストーブも電話もない
ミキサーもなければ電気冷蔵庫もない
電気掃除器も電気洗濯機もない
こんな家なんていまどきどこにも
あるもんじゃないやと女房が言ったのだ
亭主はそこで口をつぐみ
あたりを見廻したりしているのだが
こんな家でも女房が文化的なので
ないものにかわって
なにかと間に合っているのだ
元旦の風景
正月三カ日はどこでも
朝はお雑煮を
いただくもので
仕来たりなんじゃありませんか
女房はそう言いながら
雑煮とやらの
仕来たりをたべているのだ
ぼくはだまって
味噌汁のおかわりをしたのだが
正月も仕来たりもないもので
味噌汁ぬきの朝なんぞ
食ったみたいな
感じがしないのだ
十二月のある夜
十二月のある夜 金のことで
ホテルのマダムを詩人が訪ねた