Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
またはじまった
かれの戦死
巴
のか
腹をひっくりかえして
ボートの群が飢えているのだ
またはじまった
かれらはぼくのぐるりを
はなはだうるさく飛び廻った
ぼくは腹立ちまぎれに
ペンをそこにおいては
かれらのことを一々
掌でもってたたきつぶし
あるいは縁のうえにたたきのめした
かれらは蚊であったり
足ながであったり蛾であったり
こがね虫または兜虫であったりした
ある夜
一匹の兜虫が
電気すたんどの笠にすがりついた
ぼくはペンをおいて
兜虫のその首を掴み
そのまま持って縁側に飛び出した
するとよけいな口をきくもので
またはじまったと女房が言った
かれの戦死
風のたよりにかれの
戦死をぼくは耳にしたのだが
まぐれあたりの
弾丸よりも
むしろ敗戦そのことのなかに
かれの自決の血煙をおもいうかべた
かれはふだん
ぼくなどのことを
おどかすのではなかったのだが
大君の詩という詩集を出したり
あるいはまた
ぼくなどのことを
なめてまるめるのでもなかったのだが
天皇は詩だと叫んだりしていたので
愛刀にそそのかされての
自害なのではあるまいか
巴
おまえのお供はつらいと言うと
んじゃこうやってまっててよと来て
ミミコは鼻をつまんでみせるのだ
そこでぼくは鼻をつまんで