Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
蠅
闇と※
お持ちなさいと言うのだ
でもおいくらなんでしょうかと言うと
知らない人でもないのだから
高い銭など気の毒なんで
もらえるもんじゃないやと来るのだ
でもとにかくおいくらなんだか
もらいに来たのではないのだからと言うと
純綿の手拭でも一本
ほしいのだがと出たのだ
それでもきゃべつは黙っていた
売ろうと売れまいと買おうと買えまいと
黙っておればいいのだ
蠅
ぼくらのことをこの土地では
疎開 疎開で呼び棄てるのだ
炭屋にいるのが
すみや疎開
卵屋にいるのが
たまごや疎開
前の家のがまえの疎開
裏の家のがうらの疎開
ぼくの一家もまたうちそろって
安田家の背中にすがっているものだから
やすだ疎開と呼び棄てるのだ
いずれはみんなこの土地を
追っぱらわれたり飛び立ったりの
下駄ばき靴ばきの
蠅なのだ
ぼくらはこの手を摺り摺りするが
天にむかって
気を揉み合っているのだ
闇と※
さつまをもらい
ねぎをもらい
たばこのはっぱをなんまいだか
もらったこともたしかなのだが
もらいに行って
もらって来たのではなかったのだ
疎開はまったく気の毒でなあとか言って
百姓が裏口からのぞいては
食えと出すのでそれをもらい