Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まぐろにいわし

鮪に鰯

山之口 貘

Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

昇天した歩兵

頭をかかえる宇宙人

やがて日暮れになると朝が来たみたいに

露の気配でめをさますのか

ぽっかりと蕾をひらいて身ぶるいし

身ぶるいをしてはぽっかりと

黄色い蕾をひらくのだが

真夜なかともなれば一斉にめざめていて

真昼顔して生きる草なのだ

ぼくはそれでその月見草のことを

梟みたいな奴だと云うのだが

うちの娘に云わせると

パパみたいな奴なんだそうな

昇天した歩兵

村ではぼくのことを

疎開と呼んでいた

疎開はたばこに困ると

東の家をのぞいては

たばこの葉っぱにありついて

米に困ると

西の家をのぞいて

闇の米にありついたりしたのだ

その日も疎開は困り果てて

かぼちゃの買い出しに出かけたのだが

途中で引き返して来ると

庭の片隅にこごみ

奉公袋に火をつけた

日本ではつまりその日から

補充兵役陸軍歩兵なんてのも

不要なものに

なったからなのだ

頭をかかえる宇宙人

青みがかったまるい地球を

眼下にとおく見おろしながら

火星か月にでも住んで

宇宙を生きることになったとしてもだ

いつまで経っても文なしの

胃袋付の宇宙人なのでは

いまに木戸からまた首がのぞいて

米屋なんです と来る筈なのだ

すると女房がまたあわてて

お米なんだがどうします と来る