Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
「しぶてえ奴だ、じゃ、どうあっても実を吐かねえな、よし」
と、捕縄に輪を描かせて、グルグルと源次の喉へからませたやつを、グンと引っ張って、
「知りませんという音を止めねえうちは、しばらく、こうしてやるから、根くらべをするがいい」
「ウーム……」と、源次は縄の輪に喉笛をしめられて、苦しそうな眼を吊りあげた。
「どうだな、塩加減は?」
と、眼八、時々ジリジリと締めて、
「まだ甘えか、これでもか!」
「くッ……く、くるしい」
「そりゃア苦しいにきまっていらあ、まだまだ釘抜きの眼八が本気になって責めにかかると、こんなどころじゃございませんよ」
と、憎々しい面がまえを寄せて、源次の苦しみを冷然と眺めていると、突然、かれの後ろのほう――。
そこから木立を隔てて見えるのは、月光の底に沈んでいる二十八柱の大伽藍、僧行基のひらくという医王山薬師如来の広前あたり、嫋々としてもの淋しい遍路の鈴が寂寞をゆすって鳴る……。
その鈴は、この境内では常に聞くところの、珍しくない音であったが、伽藍の森厳にひえびえとした夜気を流して、なんとなく、釘抜きの眼八の鬼の心をも寒くさせた。
で、場所が悪いと気がさしてきたものか、