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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

ことにその郷里の人は更らに月夜野村に一仏堂を築いて千日の供養をし、これを千日堂と称えたが、千日はおろか、今日に到るまで一日として供養を怠らなかった。が、次第にその御堂も荒頽して来たので、この大正六年から改築に着手し、十年十二月竣工、右の地蔵尊を本尊として其処に安置する事になった。

斯うした話をU―君から聞きながら私は彼の佐倉宗吾の事を思い出していた。事情が全く同じだからである。而して一は大に表われ、一は土地の人以外に殆んど知る所がない。そう思いながらこの勇敢な、気の毒な義民のためにひどく心を動かされた。そしてU―君にそのお堂へ参詣したい旨を告げた。

月夜野橋を渡ると直ぐ取っ着きの岡の上に御堂はあった。田舎に在る堂宇としては実に立派な壮大なものであった。そしてその前まで登って行って驚いた。寧ろ凄いほどの香煙が捧げられてあったからである。そして附近には唯だ雀が遊んでいるばかりで人の影とてもない。百姓たちが朝の為事に就く前に一人一人此処にこの香を捧げて行ったものなのである。一日として斯うない事はないのだそうだ。立ち昇る香煙のなかに佇みながら私は茂左衛門を思い、茂左衛門に対する百姓たちの心を思い瞼の熱くなるのを感じた。