Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
晩餐には、グルンダー君を招いて、三人で会食する、食後は例によってキルシュワッサーを乾して、いよいよ御別れと云うことになる、若し何か危険にでも遇って、再び帰れないような場合には、荷物全部はグルンダー君をわずらわして、日本へ送ることに主人に依頼した。
これで先ずかたづいた。荷物は一まとめにしてしまったし、手紙も大ていにして、扨て何か用事はないかなと思ってると、近藤君が這入って来る、煙草をふかしながらカフェーを取り寄せて、又馬鹿話を始める。往来が妙にしーんとして気になるから、窓をあけると、街灯の二列に行儀よく並んだ大通りは、人っ気もなく寝静まって、空はまっ暗に曇って、南の風が冷や冷やする、もう十二時を過ぎていた。
寝床に這入っても、いろんなことが頭の中にごちゃごちゃして、仲々寝つかれない、そのうち思い出したのは、近藤君の遺言で、差しあたって、遺言するほどの用事も思い出せないが、仮にもしクレヴァスに落ちて死んだとする、すると、新聞で書き立てる、――まあ一寸想像して見たんだが、――すると、日本の山の気になって、知らない他国の山に入り込んで、見当が付かないで死んだんだ、地図の一枚も持って行けばいいになんて、死人に口がきけないと思って、自分達に引きくらべて、勝手なことを書き立てるに相違ない、死んでしまえば、生きてる奴