Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
シャレーに帰って、煙草をくゆらせながらテレースに出ると、驚いたのは、今宵のアルペン・グリューンである、今述べた山々の頂は、まるで火のように真紅である、そして雪の蔭のコバルトを帯びた、その対照が実に美しい。眼下になだれ落ちるユンクフラウの絶壁の、裾は靄がたなびいて、マッテンか知らず、渓底の小村には、小さい灯火が動きはじめた。アルペン・グリューンはたちまち淡くなって、最後までほんのりと赤く見えたメョンヒが消えてしまうと、もう山は暗くなって、三つ星が、ユンクフラウの右の肩に光りはじめた。アイガーの左にちらちら灯の見えるのは、ウェンゲルン・アルプである。
ニューシャテルの酔に乗じてそぞろあるく。オリオンはすでに高く登って、今、ユンクフラウの雪をはなれんとするのは、大空の星のなかに、私の好きなシリゥスであった。夜は静かに更けて、千八百尺の渓底から、瀬の音がかすかに響いて来る。
次の日アルメントゥーベル Allmendhubel, 1938m. に登る。朝起きてカーティンをあけると、昨日のような上天気、空は水のように澄み渡って、アイガーの半面に強い朝日がさしていた。