Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
第一五課 無駄
苦悩です。次に樹脂――つまり涙です。そして新しい生なる五月の新緑が芽生えます。
わざわざ疵をつけて涙の価値を取出すことさえこの世の中にはあります。たとえば、ゴムです。ゴムは、ゴムの樹が幹に疵をつけられて苦しさのあまりにじみ出した樹の涙です。涙であるが故にゴムは柔かく、しかも、ねばり強く、辛抱強くあります。
涙の価値を払って、人生の意義を求める道理を人格化して、仏教で説いたものに、常啼菩薩(常啼菩薩は七日七夜泣き続け、遂に道を得ました〔智度論〕)というのがあります。私たちは真面目になればなるほど、一面、常啼菩薩です。
第一五課 無駄
「自分がいくら骨を折って行っても、することなすことみな無駄になる」
苦学をして勉強していた一青年が、こう歎じました。実際彼が骨を折ってなしたことがみな無駄だったように見えました。彼はすっかり懐疑家になり、しばらく呆然として暮していましたが、反撥心を起して、こう言いました。
「こうなったら、もう自暴だ。今度は逆に、無駄なことばかりしてやろう」
青年はそう決心はつきましたものの、さて、その決心に添うような無駄事を探す段になって、はたと行き詰りました。