Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
こういう場合には、一人前の教養も、情操も、人情もある男性として、一旦は断るにしろあるいは永久に断るにしろ、相手の女性に恥をかかさず、さればといって自分の品位も堕さず、しかるべき人情味のある処置と言葉がありそうなものです。あの枯木寒巌のごとしと言って澄まし返った僧のような態度、言葉を実際にしたなら、相手の女性は一生恨み切るか、反撥的に自殺もしかねまじきあしらい方です。老婆の非難はそこにあるのでしょう。
同じ断り方でも、その女性の気持ちを汲みながら、無邪気ににっこり笑って「あなたが私をどんなに愛して下さっても、私は仏に仕える身ですから、あなたの愛を受ける事が出来ません。さあ早くお帰りなさい」とでも言いきかせて、肩へかけられた手をそっと外してのければ、あとはどちらも気持ちよく別れることが出来ましょう。二十年も修業して、このくらいな自由な処置が取れないとは、まだ生なところがある。誘惑に負けまいと一生懸命、肩肘張って、非人情に噛りついていなければならないとは、まだどこか心に弱いところがある。そこを老婆は見破ったのです。
仏教では、誘惑を避けて逃れるのは人生の達人でないと断定します。