Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
大乗の悲心は一切を摂取して捨てない。いかなる凡俗の裡にも一抹の生命の光りを求めて、これを機縁として高きに導入せんとするのである。「人尤だ悪しきもの鮮し」と観ぜられたところに、太子の博大な悲心が偲ばれるであろう。そしてこの第二条で最も大切な一句は、冒頭の「篤敬三宝」である。太子は「篤く三宝を敬へ」と仰せられたけれど、「必ず三宝を信ぜよ」とは云われなかったのである。若し律法において、一信仰を強制し、仏法を必ず信ぜよとしたならばどうであろうか。信仰はその自発性を失い、或は政治的党派性を帯びるであろう。蘇我と物部との争いはよき教訓だったに相違ない、然るに太子は「必信」でなく「篤敬」という文字を用いて、信仰をあくまで国民の自発的な求道心におかれたのであった。深い思慮というべきである。仏教伝来以後、さきには蘇我氏のことあり、また奈良朝における藤原氏の専断、更に下っては道鏡のごとき僧すら出たのであるが、わが仏法の黎明を告げた太子の御本心はかくのごときものであった。
ところで次の第三条、即ち、詔勅に対するときは「承詔必謹」と、はじめて「必ず」という言葉を用いておらるる。