Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わすれのこりのき

忘れ残りの記

吉川 英治

Lesen Sie 忘れ残りの記 (わすれのこりのき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.050 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

ついで乍ら申しますと、私の母は後に鈴木金一(日本郵船機関長)という者に嫁し、母の長兄近藤基樹は海軍中将(男爵)で昭和四年に物故いたしました。また姉の婉子は海軍造船中将(男爵)山内万寿治に嫁して昭和十七年に亡くなり、次兄輔宗は外国商館に勤めておりましたが、これも昭和三年に亡くなっております。

私の主人河内信弥太は、現在、北海道銀行東京事務所長をしており、事務所は麻布本村町八三でございます。何ぞまたお問合せのことでもございましたら主人まで御連絡くださいませ。(後略)――

河内喜代子

前掲、河内夫人からのお手紙をうけてから、ぼくは母の少女像を一そう濃く描くことが出来、また、母が少女時代からすでに郷里を離れていた事情だの、斎藤家との浅からぬ由来などもよく分って来たのであるが、同時に、これまでの中で訂正しなければならない部分も生じて来た。

というのは、ぼくの両親の媒人は、横浜在住の吉益という吉益東洞派の漢方医とさきに書いたが、やはり佐倉の人で、ぼくの母の母方の生家でもあったのだ。そうと分れば、近藤家と密接なのは当然だし、その吉益の口ききでぼくの母が横浜へ嫁いだわけも頷かれる。