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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme

Aozora Bunko

「黒餡の安菓子……子供だまし。……詩歌にお客分の、黄菊白菊に対しては、聊か僭上かも知れぬのでありますな。」

と骨ばった、しかし細い指を、口にあてて、客僧は軽く咳いた。

「――一別以来、さて余りにもお久しい。やがて四十年ぶり、初めてのあなたに、……ただ心ばかり、手づくりの手遊品を、七つ八つごろのお友だち、子供にかえった心持で持参しました。これをば、菊細工、菊人形と、今しがた差出て名告りはしましたものの、……お話につけてもお恥かしい。中味は安餡の駄菓子、まぶしものの、いが細工、餅人形とも称えますのが適当なのでありましたよ。」

寛いだ状に袖を開いて、胸を斜に見返った。卓子台の上に、一尺四五寸まわり白木の箱を、清らかな奉書包、水引を装って、一羽、紫の裏白蝶を折った形の、珍らしい熨斗を添えたのが、塵も置かず、据えてある。

穂坂は一度取って量を知った、両手にすっと軽く、しかし恭しく、また押戴いて据直した。

「飛でもないお言葉です。――何よりの品と申して、まだ拝見をいたしません。――頂戴をしますと、そのまた、玉手箱以上、あけて見たいのは山々でございました。が、この熨斗、この水引、余りお見事に遊ばした。