Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くろかべ
文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁
泉 鏡花
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme
二
と思うばかりで、何故と云う次第は民也にも説明は出来ぬと云う。――何にしろ、遁れられない間と見えた。孰方か乳母の児で、乳姉妹。それとも嫂と弟嫁か、敵同士か、いずれ二重の幻影である。
時に、民也が、はじめてその姿を見たのは、揃って二階からすらすらと降りる所。
で、彼が九ツか十の年、その日は、小学校の友達と二人で見た。
霰の降った夜更の事――
二
山国の山を、町へ掛けて、戸外の夜の色は、部屋の裡からよく知れる。雲は暗かろう……水はもの凄く白かろう……空の所々に颯と薬研のようなひびが入って、霰はその中から、銀河の珠を砕くが如く迸る。
ハタと止めば、その空の破れた処へ、むらむらとまた一重冷い雲が累りかかって、薄墨色に縫合わせる、と風さえ、そよとのもの音も、蜜蝋を以て固く封じた如く、乾坤寂となる。……
建着の悪い戸、障子、雨戸も、カタリとも響かず。鼬が覘くような、鼠が匍匐ったような、切って填めた菱の実が、ト、べっかっこをして、ぺろりと黒い舌を吐くような、いや、念の入った、雑多な隙間、破れ穴が、寒さにきりきりと歯を噛んで、呼吸を詰めて、うむと堪えて凍着くが、古家の煤にむせると、時々遣切れなくなって、潜めた嚔、ハッと噴出しそうで不気味な真夜中。