Japanische Klassiker mit Furigana
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くろかべ
文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁
泉 鏡花
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme
七
凄いとも、美しいとも、あわれとも、……踏台が置いてある。目鼻のない、のっぺらぼうと見えたのは、白地の手拭で、顔の半ば目かくしをしていたのです。」
俊之君は、やや、声忙しく語った。此処で吻と一息した。
「いま、これを処置するのに、人の妻であろうと、妾であろうと、娘であろうと、私は抱取らなければなりません。
私は綺麗なばけものを、横抱きに膝に抱いて助けました。声を殺して、
(何をなさる。)
扱帯で両膝は結えていました。けれども、首をくくるのに、目隠をするのは可訝しい。気だけも顔を隠そうとしたのかと思う。いや、そうでないのです。それに、実は死のうとしたのではない。私から遁げようとしたので、目を隠したのは、見まい見せまいじゃあない。蚊帳を覗くためだったのだから余程変です。」
七
「前後のいきさつで、大抵お察しでありましょう。それはお由紀さんでございました。
申憎うございますけれども、――今しがた、貴方の御令閨のお介添で――湯殿へ参っております、あの女なのです。
これでは……その時の私と、由紀とのうけこたえに、女のものいいが交りましては、尚お申憎うございますから、わけだけを、手取早く。