Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme

Aozora Bunko

大震災の翌年奥山のある料理店に一寸した会合がありまして、それへ参りましたのが、ちょうどその日、菊の日に逢いました。もう仲見世へ向いますと、袖と裾と襟と、まだ日本髷が多いのです。あの辺、八分まで女たちで、行くのも、来るのも、残らず、菊の花を手にしている。折からでした、染模様になるよう、颯と、むら雨が降りました。紅梅焼と思うのが、ちらちらと、もみじの散るようで、通りかかった誰かの割鹿の子の黄金の平打に、白露がかかる景気の――その紅梅焼の店の前へ、お参の帰りみち、通りがかりに、浅葱の蛇目傘を、白い手で、菊を持添えながら、すっと穿めて、顔を上げた、ぞっとするような美人があります。珍らしい、面長な、それは歌麿の絵、といっていい媚めかしい中に、うっとりと上品な。……すぼめた傘は、雨が晴れたのではありません。群集で傘と傘が渋も紺も累り合ったために、その細い肩にさえ、あがきが要ったらしいので。……いずれも盛装した中に、無雑作な櫛巻で、黒繻子の半襟が、くっきりと白い頸脚に水際が立つのです。藍色がかった、おぶい半纏に、朱鷺色の、おぶい紐を、大きく結えた、ほんの不断着と云った姿。