Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
てッきりと思ったから朱同はいきなりその男の襟がみを引ッつかんで一喝をくれた。
「やいッ李逵っ。お坊っちゃんをどこへ置いて来た」
「あっ、お髯の朱同か」
「すぐ返せ、大事なお子様を」
「そいつア気の毒しちまったな」
「な、なんだと」
「おれの顔を見たら泣いて逃げ廻りゃあがるんだ、あの石橋の上でよ」
「あたりまえだ、そしてどうした?」
「呉用先生のいいつけだから、どうでも旅宿へ連れて行こうと思ってよ、こっちも夢中で追ン廻しているうちに、あの蓮池へ落ッこちてしまった」
「や、や、や。うぬ! さてはてめえが殺したな」
「とんでもねえ、いくら李逵が鬼だって、あんな可愛らしい子を殺せるものか。しまったと思ったが、あの蓮池にゃあ人間を引きずり込む河童がいるっていうことだ。ぶくぶくといったきりで姿も見えねえ。そこで仕方なしに落ちていた坊やの髪の珠纓だけを拾って来たよ。これで勘弁してくれやい」
「しゃッ畜生っ」
朱同はかッとし、襟がみの掴みを一ばい深く取って、李逵の体を、力まかせに投げつけた。
でんと、九尺も先へ、投げられたかと見えた李逵の体は、ぴょいと蛙立ちに彼方へ立って、へへへへ、と白い歯で笑っていた。