Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
祝氏の三傑「時報ノ鶏」を蚤に食われて大いに怒ること
何もかも、物蔭で見ていたんだな」
「いけませんでしたか。――これから梁山泊へ落ちのびようッていうご相談事も、ついそこで残らず聞いてしまいましたが」
「いまさら、いけねえといってみたって、仕方がねえや。……石秀、どうしたもんだろう。この蚤男を」
「蚤男とは、巧く言いなすったな。一体何者です、その男は」
そこで楊雄が、こう説明した。
――昨日までの職掌柄で、自分も多年いろんな囚人を手がけて来たが、この時遷アダ名を鼓上蚤という蚤みたいな人間は、めったに知らない。
生れは、高唐州というがもとより前身不詳の無宿者で、よく捕まって薊州の牢屋へ入って来るが、すぐにまた牢から出て行く。――なぜなれば、たいがい軽い微罪だからで、ほかの罪人のように、被害者も訴え手もないのである。
じゃあ何で食ってるかというと、あちこちの墳墓を掘って、殉葬(死者に副えて埋めた生前の遺愛品)の珠だの金銀を見つけては、市でこかしているものらしい。もちろんそれとて重罪だが、現場を見つかった例しはないので、ほかの微罪で捕まえて来る。ところが牢にいても牢中の愛嬌者だし、また、牢舎に飽きると、いつのまにか、自分の意志でぷいとどこかへ消えてしまう。