Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
こないだうちから胡散な奴が、この祝家荘にうろついているから用心しろと、山荘からもお触れが出ていたところだった。ようし! 三人ともに引ッ搦げて、独龍岡の大旦那の御門へ送りこむからそう思え」
「何を」
と、時遷が平手打ちを食わした弾みに、若者はどんと外へよろけた。――しかし部屋の外にも、はや近所の仲間が加勢に来ていたものとみえる。ど、ど、どッと得物を持った一群の男どもが、とたんに、躍りこんで来た。
凄まじい格闘となり、楊雄と石秀とは、からくも相手を投げとばしながら、細土間の槍掛けにあった野太刀一本ずつを奪って外へ逃げ出していた。――けれど馳けても馳けても、蚤の時遷は後から追いついて来そうもない。――捕まったらしい? と心配になってきた。振り返ると、旅籠の一軒は、朝火事を出して炎々と燃えているのだ。しかもそこからなお数十人の喊声がこっちをさして追跡して来る。
「あきらめよう。蚤一匹に関ずらって、おれたち二人までが、祝家荘のやつらに、がんじ縛めの目に会わされては堪らない」
街道を外して、わざと横道へ走りこんだ。それがかえって悪かったともいえばいえる。さんざん方向に迷ったあげく、また一軒の居酒屋にぶつかった。