Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
半日以上、それからも、足を棒にして歩いたものの、まるで知恵の環か、迷路の藪にでも入りこんでしまったよう……。果ては路傍の大樹の下に、天秤をおろして、ヘタッと足を撫でていた。
すると後ろの方から、ジャラン、ジャランと、錫杖の音がしてくる。石秀はその者の影を見るとおかしくなった。これもまた狐に憑まれたような恰好なのだ。破れ笠のひさしに手をかけ、元気もなく、ただキョロキョロと道ばかり見廻して来る。
「おう、楊林。どうしたね?」
「やあ石秀か。ヘタばりそうだ……。いくら歩いたって、並んでいるのは並木ばかり。犬の子にも出会わねえ」
「いったい俺たちは、どこを歩いているのだろう。こんないい道があるのだから深山でもあるまいに」
「ひょっとしたら、梁山泊の襲来ときいて、人間から豚や犬コロまで、さっと逃げ散ッてしまったものか」
「そんなら部落の跡があるはずだろうに」
「それもそうか……。するってえと、おれたちは魔魅に化かされているかな?」
「よしてくれ。何かこう、ゾッとしてきた。……おや、へんだな。いま風に乗って聞えてきたのは人声らしいぜ」
半信半疑、また歩き出して、一叢の森道を抜けてみると、なんと、そこには忽然と、かなり賑やかな田舎町の一聚落がガヤガヤと喧騒していた。