Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
「な、なにがおかしゅうござる!」
「………」
「返答聞きましょう! 何がおかしゅうてお笑い召さった」
「身共かな」
言いようがない。まことにその飄々悠々泰然とした落ち付きぶりというものは、何ともかとも言いようがないのです。のっそりと歩み寄ると、声からしてごく静かでした。
「御用のあるのは身共かな」
「おとぼけ召さるなッ。尊公に用あればこそ尊公に対って物を申しているのじゃ。何がおかしゅうて無遠慮な高笑い召さった」
「アハハハ。その事かよ。人はな――」
「なにッ」
「静かに、静かに。そのような力味声出さば腹が減ろうぞ。もっとおとなしゅう物を申せい。人はな、笑いたい時笑い、泣きたい時泣くものと、高天原八百万の御神達が、この世をお造り給いし時より相場が決ってじゃ。身共とて人間ぞよ。笑ったのに何の不思議があろうかい。それとも仙台の方々は一生お笑い召さらぬかな」
「そのようなこときいているのではござらぬわッ。手前達の何がおかしゅうて馬鹿笑い召さったのじゃ」
「ははん、そのことか。江戸ではな」
「江戸が何だと申すのじゃ」
「弓は射るもの当てるもの、江戸で引いても当らぬものは富籤位じゃ。