Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
しかもその水死体にはいぶかしいくびり痕が歴然として見えるのです。
「のう! ……その両人が菓子折二つを身共に届けて参ったとは、なおさら解せぬ謎じゃ。亭主! 三ツ扇屋の亭主!」
「へえへえ。何でござります」
「いずれは誰袖に通いつめたお客が、沢山あるであろうな」
「ある段ではござりませぬ。ざッと数えて三十人。その中でもとりわけ御熱心な方々と申せば――」
「誰々じゃ」
「筆頭は言うまでもないこと、こちらの源七どん。つづいては本石町の油屋藤右衛門どんの伜又助どん。浅草の大音寺前に人入れ稼業を営みおりまする新九郎どんのところの若い者十兵衛。それから――」
「それから誰じゃ」
「ちとこれは他言を憚りまするが、遠藤主計頭様が、お忍びでちょくちょくと参られまするでござります」
「なにッ。遠藤どのとのう! 主計頭どのはたしか美濃八幡二万五千石を領する城持ちじゃ。一国一城のあるじが、そちのごとき中店の抱え遊女にお通い召さるとは、変った風流よのう。源七をのぞいての三人はどんな持て方じゃ。ちッとはよい顔を見せたか」
「何ともはやお気の毒でござりまするが、いくら遊女でござりましょうと、ほかに二世かけたかわいい男のある者が、そうそう大勢様にいい顔なぞ見せられる筈がござりません。