Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
手前風情がご贔屓頂いておりますさえも身の冥加、そのうえ直き直きにあのようなお扱いを頂きましては空恐しゅうござります。甚だぶしつけでござりまするが――」
「何じゃい。退屈払いでもしてくれると申すか」
「致しまする段ではござりませぬ。日頃御贔屓に預りまするお礼方々、今宵深川へお供させて頂きとうござりまするが、いかがでござります」
「深川はどこじゃ。女子がおるか」
「御前は御名代の女ぎらい、――いいえ、おすきなようなお嫌いなような変ったお気性でござりますゆえ、手前にいささか趣向がござります。女子もおると思えばおるような、いないと思えばいないようなところでござります」
さすがは団十郎です。主水之介ほどの男を招くからには、何かあッと言わせるようなすばらしい思いつきがあるらしい口吻でした。
「気に入った。その言い草が面白い。主水之介も嫌いなような好きなような顔をして参ろうぞ。早う舞台を勤めい」
「有難い倖せでござります。お退屈でござりましょうが、ハネるまでこの楽屋ででも御待ち下さりませ」
その大切りのひと幕が終ったのは、街にチラリ、ホラリと夏の灯の涼しい夕まぐれでした。