Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme

Aozora Bunko

ましてや塵芥にも等しい陪臣共が、大藩の威光を笠に着て、今のごとき横道な振舞い致したとあっては、よし天下のすべてが見逃そうとも、早乙女主水之介いち人は断じて容赦ならぬ。いや、面白いぞ、面白いぞ。島津が対手ならば、久方ぶりに肝ならしも出来ると申すものじゃ。街道の釣男、飛んだところで思わぬ大漁に会うたわい。では、追っつけ薩摩の行列、練って参るであろうな」

「はっ、恐らくあともう四半刻とは間があるまいと存じます。それゆえ今の二人も、うちの殿様の御容子がどんなか、こっそりと探りに飛んでいったに相違ござりませぬ」

「何のことじゃ、不意に異なこと申したようじゃが、うちの殿様とは、どなたのことじゃ」

「わたくし共長沢村の御領主様でござります」

「はてのう、一向に覚えないが、どなたのことじゃ」

「ぐずり松平のお殿様でござります」

「なに! ぐずり松平のお殿様とな! はてのう、きいたようでもあり、きかぬようでもあるが、その殿の御容子を探りに参るとは、一体どうした仔細じゃ」

「どうもこうもござりませぬ。ぐずり松平のお殿様と言えば、この街道を上り下り致しまするお大名方一統が頭の上らぬ御前でござります。