Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
しきりと詑びつづけているのに、対手の四人はあくまでも許そうとしなかったので、若衆はその執拗さに呆れたもののごとく、一二歩うしろへ身を引くと、やんわり片手を飾り造りの佩刀にかけたかと見えたが、果然、謎の宗十郎頭巾が折紙つけたごとくその態度が一変いたしました。
「けだ物共めがッ、人間の皮をかむっているなら、も少し聞き分けがあるじゃろうと存じていたが、それ程斬られて見たくば、所望通り対手になってつかわすわッ。抜けッ、抜けッ、抜いて参れッ」
裂帛の美声を放って、さッと玉散る刄を抜いて放つと、双頬にほのぼのとした紅色を見せながら、颯爽として四人の者の方ににじりよりました。それも、今迄柔弱とばかり見えたのが、俄然一変したのですから、その冴えまさった美しさというものはない。しかも、その剣気のすばらしさ!――不意を打たれて四人はたじたじとたじろぎました。しかし、もともと売った喧嘩です。
「けだ物共とは何ごとじゃ! 抜きさえすればそれで本望、では各々、用意の通りぬかり給うな」
四十がらみの分別盛りが下知を与えると、唯の喧嘩と思いきや、意外にもすでに前から計画してでもあったかのごとくに諜し合せながら、ぎらりと刄襖をつくりました。